血圧を下げる効果が期待できる食材と栄養素を解説!

query_builder 2023/10/09
ダイエット健康運動レッスン
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年齢を重ねると多くの人が経験するのが「高血圧」ではないでしょうか。


若い頃には「血圧が高いですね」と言われたことのない方でも、50代を過ぎた頃から健康診断などで「ちょっと高めですね」と言われることが増えてきます。


そこで今回は、国民病と言ってもよい「高血圧」を改善する効果が期待できる食材と栄養素について解説していきます。

高血圧とは、どんな病気?

高血圧とは

私たちの血圧は、ちょっとしたこと(からだを動かす、寒さを感じるなど)で上昇します。こうした一時的な血圧上昇は、高血圧とはいいません。


高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態をいいます。


高血圧になると血管に常に負担がかかるため、血管の内壁が傷ついたり、柔軟性がなくなって固くなったりして、動脈硬化を起こしやすくなります。

高血圧を放置していると

①脳卒中

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など


高血圧によって最もリスクが高くなるのが、脳卒中です。


収縮期血圧(最高血圧)が10mmHg上昇すると、脳卒中のリスクが男性で約20%、女性で約15%高くなります。


脳卒中は命が助かっても、運動障害や言語障害が残りやすく、長期のリハビリが必要となることも少なくありません。

②心疾患

心筋梗塞、狭心症など

高血圧は、心疾患のリスクも高めます。

特に、男性の場合は影響が大きく、収縮期血圧が10mmHg高くなると、心筋梗塞や狭心症の危険度が約15%も増加します。

③慢性腎臓病

血圧が高いと腎臓にも大きな負担がかかり、血液中の過剰な塩分などの排泄がうまくいかず、さらに血圧が上昇する悪循環を起こしやすくなります。

慢性腎臓病を起こすと、脳卒中や心筋梗塞による死亡率も高くなることがわかっています。

血圧を下げる食べ物を選ぶポイント4つ

① 塩分の量が少ない

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最も大切なことは、塩分(ナトリウム)の含有量が少ない食べ物を選んで食べることです。 日本高血圧学会のガイドラインでは、目安として1日の食塩摂取量を6ℊ未満に抑えることが推奨されています。


しかし、日本人の食塩摂取量の平均は10ℊ前後であるため、減塩によって食事の満足感が得られなくなるのではないかと不安に感じる人も多いでしょう。


それでも、食べ方や調理を工夫することで自然な形で食事の塩分を減らせるようになります。


素材そのものの塩分は少なくても、調味料に塩分が含まれることが多いため、食事全体で塩分量のバランスをとることが必要です。

② 排塩を促す効果がある

塩分量を減らすと同時に、塩分を体から排出するのを助ける効果がある食べ物を選んで食べることも大切です。

ミネラルのうちカリウムにはナトリウムを体外へ排せつする効果があります。


カリウムや野菜や果物、海藻類に多く含まれ、水に溶けやすいため、生で食べられるものは生で、または薄味のスープなど煮汁ごと食べられる調理法がおすすめです。


ただし、腎臓機能が低下している場合は、カリウムを摂りすぎないよう注意してください。

③ 食物繊維が豊富

動脈硬化になると血管の収縮や拡張が不十分になり、高血圧の発症や進行の原因となります。


食物繊維はナトリウムや糖質・脂質を吸着して体外に排出する働きがあるため、動脈硬化や高血圧の予防・改善に効果的です。


野菜や雑穀、海藻類やきのこ類には食物繊維が多く含まれるため、自然な形で食事に取り入れられます。

④ カルシウムやマグネシウムが含まれる

カルシウムやマグネシウムも、血圧を下げるために積極的に摂りたいミネラルです。

カルシウムの摂取量が不足すると、骨からの補給量が増えて血液中のカルシウム濃度が高くなり、血管を収縮させて血液の流れが悪くなります。


その結果、高血圧につながりやすいため、カルシウム不足にも注意が必要です。 マグネシウムには動脈を拡張させる働きがあるため、血圧を下げる効果があります。


カルシウムもマグネシウムも体内では合成されないため、普段の食事で意識的に摂ることが大切です。

血圧をさげる効果が期待できる食材とは

①じゃがいも・里いも

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この2つの食材は、血圧の上昇を抑える栄養素である「カリウム」がたっぷりと含まれているのが特徴です。

また、じゃがいもや里いもには、腸内環境を整えて生活習慣病を予防する効果が期待できる食物繊維も豊富です。


里いもは水分が多いので、イモ類の中ではカロリーが低めの食材です。

②かぼちゃ

かぼちゃは血圧上昇の予防に効果的な食材だと言われています。

その理由は、かぼちゃに含まれている「ビタミンE」の特徴である「抗酸化作用」。


抗酸化作用によって血管がかたくなったり厚くなったりするのを防ぐことができるため、血圧の上昇を抑えることに役立つと言われています。


また、かぼちゃには食物繊維やビタミンB1、ビタミンB2などが豊富に含まれているので、高血圧の原因になりやすい肥満予防にも効果が期待できるのです。

③にんじん・トマト

にんじんはβカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは体内に入り吸収されると必要に応じてビタミンAに変換されます。


ビタミンAには粘膜のダメージを回復する効果や免疫力を高める働きがあります。

また、にんじんは葉の部分もβカロテンやビタミンE、ビタミンC、カリウムなどが豊富に含まれていて栄養価が高いので、手に入ったらぜひ食べましょう。


和えものや炒め物、スープ、揚げ物などの料理に使用できます。


トマトには、「リコピン」と呼ばれる抗酸化作用を発揮する栄養素が豊富に含まれています。 リコピンの抗酸化力はβカロテンの2倍以上とも言われています。


また、余分な塩分(ナトリウム)を排出してくれるカリウムも豊富。 ビタミンCや食物繊維なども含まれています。


さらに血圧上昇を抑えるだけではなく、胃炎や胸やけにも効果があり、疲労回復にも役立つと言われています。 ストレスを抱えていらっしゃる方にもおすすめの食材です。

④小松菜・ほうれん草

どちらも注目したいのは血圧の安定に役立つと言われる「カルシウム」です。


他の緑黄色野菜と比較しても、この2つはダントツでカルシウムを豊富に含んでいます。 また、小松菜には血圧上昇を抑える効果が期待できる「カリウム」も含まれています。


ほうれん草は、ご存じのとおり、鉄分やマグネシウム、リンなども含んでいますので、1つでバランスのよい栄養素を簡単に摂取することができるでしょう。

⑤きのこ

きのこは血圧をさげる効果が高いと言われています。さらにカロリーも低いのでダイエット中の方にもおすすめの食材です。


「きのこ」の中でも「しいたけ」は特に高血圧の予防に効果が期待できます。


というのも、しいたけ(特に干ししいたけ)は、血圧をさげる効果があると言われるカリウムが豊富に含まれているからです。


季節を問わず購入できますし、和え物などにも使いやすいので、積極的に食べたいですね。

⑤青魚

いわし、さば、あじ、さんまなどの青魚には不飽和脂肪酸のE P AやDHAが豊富に含まれています。 E P Aは血栓の予防や高血圧予防に効果的だと言われています。


こういった魚を食べることで、血液中のコレステロールを低下させることが期待できます。


「高血圧」だけではなく「動脈硬化」の予防にも役立つ可能性があります。


さらに、青魚に含まれているDHAという成分は、脳細胞の活性化にも効果があると言われているため、老化防止や記憶力の低下を予防するのに役立つかもしれません。

⑥乳製品

カルシウムは血圧をさげる効果が期待できると言われています。


カルシウムを摂取しようと考えたとき、最初に思い浮かぶのは乳製品ではありませんか? 乳製品には豊富なカルシウムが含まれていますので、ぜひ毎日とっていただきたい食材です。


乳製品の良いところは、食べやすいというところ。 ・ヨーグルトを食べる ・チーズなどを食べる ・牛乳を飲む というように、生活の中で簡単に口にできますので、誰でも簡単にカルシウムを摂取することができます。


カルシウムは体内に吸収されにくい栄養素ですが、乳製品に含まれているカルシウムは体内に吸収されやすいという特徴があるので、効率的にカルシウムを摂取することができます。


こういった手軽に食べられる栄養食品は多くありませんので、できるだけ毎日「食べる」「飲む」どちらかでカラダへ取り込むようにしておきましょう。

生活習慣の改善ポイント

①肥満の解消(適正体重の維持)

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肥満者は肥満ではない人と比べて、約2~3倍も多く高血圧症にかかるといわれています。 その理由として考えられるのは。


❶肥満の人は食べすぎることが多いため、それが食塩のとり過ぎにつながること

❷肥満になると過剰に分泌されたインスリンの作用により、腎臓でのNaの再吸収が進むことでNaが増加し、それを薄めるために血液量が増えてしまう

❸お腹にたまった脂肪細胞から様々な物質が分泌され血管の収縮がおこる つまり、塩分が必要以上に体内にたまったり、必要以上に血管が収縮したりして、血圧があがってしまうことになるのです。


また、肥満の人は血液中の脂質が多く、いわゆる血液がドロドロとした状態であるため、血液を押し出すために心臓に大きな負担がかかり高血圧を引き起こすことにもなります。


自分に合った適正体重を維持できるよう、適正なエネルギー摂取を心がけましょう。

まずはご自分の適性体重を知りましょう。

②運動習慣

適度な運動をすることで、高血圧を改善する効果が得られるといわれています。 運動をすることにより、

①運動で使われる筋肉に多くの酸素や栄養を運ぶために血管がひろがる、

②血圧をあげようと働く交感神経の緊張が緩和される、

③インスリンの働きがよくなる、など体内では様々な作用が活発になり、

相乗的に血圧を下げる効果がみられることがわかっています。


“ややきつい”と感じる程度の早歩きのような有酸素運動などがおすすめです。

できれば定期的に毎日30分以上行うことを目標に、継続することが大切です。

③アルコール

アルコールと血圧の関係はとても深く、常日頃からアルコールを飲んでいる人ほど高くなる傾向があり、さらに飲酒量が増えるほど血圧が高くなるといわれています。

アルコールを飲むと酵素によってアセトアルデヒドに変化し、これが血液中に増加すると、血管を拡げるため血圧は一時的に低下しますが、血圧維持のために交感神経が活性化し、心拍を高め血圧を上昇させることになります。

厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均純アルコールで約20g程度であるとされています。

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」においては、高血圧者の飲酒は、エタノールで男性20〜30mL/日以下、女性10〜20mL/日以下にすべきであるとされています。

過度な飲酒を避けるのはもちろんのこと、自分の適量を少なめに見積もること、毎日続けて飲まない、飲む時間は短く、休肝日をつくるなど、アルコールとの上手な付き合い方を考えてみましょう。

アルコールの1日の適正量(純アルコール約20g)

ビール:500ml、日本酒:1合、焼酎(35%):1/2合、ワイン:グラス2杯、ウイスキー・ブランデー:ダブル1杯、缶酎ハイ(7%):350ml

④禁煙

喫煙は血圧を上げる作用があり、たばこを1本吸うと15分以上持続するといわれています。


これは、たばこに含まれる化学物質が体内に吸収されて血管の収縮が促されるからです。


また、慢性的な酸素欠乏状態になるため、体は血液を多く必要となり、血液量が増えれば前述の通りの仕組みで血圧が上昇することになります。


動脈硬化や狭心症、心筋梗塞のリスクも高まるため、高血圧症の方の喫煙は非常に危険といえます。

まとめ

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高血圧の予防や改善には食生活の見直しが欠かせません。 血圧を下げる効果が期待できる食べ物選びの主なポイントは「減塩」と「排塩」です。


さらに食べ方や調理方法を工夫することで減塩・排塩効果を高めたり、塩を減らしても満足感を得られます。


塩分量を見直し、長く続けられる方法で高血圧のリスクを軽減していきましょう。

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